審美補綴について
審美補綴とは審美的に綺麗な補綴物のことです。
審美とは美の本質、本当に美しいものを見極めること
補綴とは歯がかけたりなくなった場合にかぶせものや入れ歯などの人工物で補うことを言います。
人の顔面の審美性は長年検討されています。
“美しさは,見る人の眼次第”
ともいわれ審美性は主観的なものでもあります.
審美補綴を行うことのメリットとして、審美面の改善また審美面の改善により精神面の強化(自分に自信がつくことや性格が明るくなること)や全身の健康(口腔内を綺麗に保つ意識や全身の健康の意識)に大きな役割を果たすことがあります。
この補綴をより審美的に行うにはいくつかのポイントがあります。
歯科の歯周病の分野では以下の項目で分析・検討することが多いです。
顔面および歯列の対称性
口唇の形態およびスマイルライン
顔面との歯の並びの関係は
顔面の正中に対して左右対称であると非常にきれいに見えます。
上顎前歯の切縁は両瞳孔線と平行関係にある
歯肉縁を連ねた線が両瞳孔線と平行な関係にある
微笑時に上顎前歯切縁は下口唇に沿う
歯の見える量は遠心になるほど減少すると審美的に見えます。
次にスマイルラインです。
患者さんが笑ったときに見える歯茎と歯の見え方である。
微笑んだ時に見える上顎前歯の先端を結んだラインをスマイルラインと呼びスマイルラインが下唇のドライ-ウエットラインに沿っているのが、審美的に理想とされます。
唇の高さや微笑時に歯肉が見える量は個々人で違います。
(1)ロースマイル(低位微笑):上顎歯冠の75%未満しか見えない
(2)アベレージスマイル(平均的微笑):上顎前歯が75~100%見える
(3)ハイスマイル(高位微笑):歯肉が過剰に見える。また、談笑時に3mm以上の歯肉が露出する場合は、ガミースマイルとよばれる。
これらは性別・年齢・人種などにより一定の傾向がある。
例えば男性にはロースマイル、女性にはハイスマイルが多くみられる。
男女によっても異なります。
治療においては患者さんの希望を理解したうえで処置をすることも肝要であります。
その他には
·クラウンマージン-生物学的幅径, (歯と歯肉複合体)
·審美的幅径-アンブレラ効果
·歯間乳頭の喪失
·クラウンマージン-生物学的幅径, (歯と歯肉複合体)
補綴の原則を守ると他人から見えない部位ではクラウン(被せ物)のマージン(歯茎のキワの部分)は口腔清掃とプラークコントロールが可能なように、歯肉縁上に設定する必要がある。
他人から見える前歯の部分はクラウンのマージンを歯肉辺縁に沿って歯肉溝内においても良いとされています。
歯肉縁下に位置するクラウンマージンは歯周組織を損傷する原因となってはいけないので歯周組織を傷付けない位置に設定しなくてはなりません。
その位置は歯肉縁下0.5mmと言われています。
次にアンブレラ効果:透明性のないクラウン (PFM・メタルセラミッククラウンな
ど)は,上唇が唇側面を覆って影を作る場合,唇側面から辺縁
歯肉に拡散光が当たるのを抑制しクラウン·辺縁部の歯間
乳頭と歯肉辺縁:青っぽく,暗く見える.
つまりクラウンのキワの部分が青く、暗く見えます。
またクラウンの支台歯が天然歯なのかメタルコアなのかファイバーコアか変色歯なのかによっても光の浸透性が異なるのでそれもふまえた上でクラウンを考慮すると良いでしょう。
·歯間乳頭の喪失
歯と歯の間の歯茎のことを歯間乳頭と呼びその歯間乳頭の見え方は非常に審美面に影響を与えます。
歯間乳頭が全くない大きなブラックトライアングル(暗い隙間)は審美歯科の中でもっとも大きな問題の一つであります。
これを改善するためには歯肉の厚みや歯槽骨の裏打ち、そこに適したクラウンや補綴物が必要となります。
外科的な処置が必要な場合や補綴物のみでの改善が可能な場合など術前の診査・診断が非常に重要となります。
気になる方はぜひご相談ください。