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歯周病予防・メインテナンス
さいたま市で歯周病治療に定評のある、たぼ歯科医院は、「メディカルトリートメントモデル」を採用し、歯周病にかからないための予防に力を入れている歯医者です。歯周病は対処療法ではなく、原因を取り除く「原因療法」をしなければ、たとえ一時的に治せたとしても、すぐに再発してしまう病気です。このページでは当院の予防処置やメインテナンスについてご説明します。
当院では、患者様の一生涯を考え、口腔全体から全身の健康まで内科的に管理する歯科治療を目指しています。口腔内の健康はどんどん損なわれていき、歯を失うことにつながってしまいます。患者様のお口の健康は当院へお任せください。
メディカルトリートメントモデルについて
当外来では、「メディカルトリートメントモデル(MTM)」を採用しています。メディカルトリートメントとはどういった考え方でしょうか?
たとえば頭が痛くて病院に行った場合、まずは精密検査を行います。そしてその結果をもとに、単なる頭痛であれば頭痛のお薬を出し、脳内出血であれば手術を行います。
歯科の場合も、治療に入る前に精密検査を行ってしかるべきですが、これまで行われてきた治療では、すぐに削ったり、抜歯したりといったものが多くを占めていました。ただ、こういった治療でも痛みがなくなるため、患者様は「治った」と感じてしまうのです。
当院では、医科の考え方に近い、「メディカルトリートメントモデル」をベースとした歯科治療を行っています。しっかりとリスク評価を行い、科学的根拠に基づいた、1人ひとりに合わせたオーダーメイドの専門治療を行うことで、口腔内を健康な環境へと作りかえていきます。
「OHIS」によるリスク評価
1人ひとりの状態が異なるからこそ現在の状況と将来のリスクを判定
1人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療プログラムを立て科学的根拠に基づいた治療を開始
初期の治療
- 応急処置的な治療
- 歯周病の基本治療
治療後は定期メインテナンスに移行
- 口腔の健康維持・歯周病の再発予防・リスクコントロール
現在のリスクと将来のリスクを判定する “リスク検査”(OHIS)とは
1人ひとりの口腔内の環境は全く異なります。歯科医院に通っていても歯周病が進行してしまう人、あまり通っていなくても少しづつしか進行しない人など様々です。この違いを無視して治療を進めても、決して効果的とは言えません。治療に入る前に大切なことは、「そもそも歯周病にかかりやすいかどうか」といった“現在のリスク”と、「今後歯周病が進行しやすいかどうか」といった“将来のリスク”についてしっかりと判定することです。現状をしっかりと把握することと、将来のリスクを知ることで、はじめて最短距離で改善し、未然に悪化を防ぐことができます。1人ひとりの歯周病リスクを、患者さんご自身もきちんと理解して、歯科医院で受けるプロフェッショナルケアと、ご自身で行うセルフケアを継続的に行っていければ、歯周病を克服していくことが可能となります。
治療前に"現在のリスク"と"将来のリスク"をしっかり判定する
「リスク検査(OHIS)」
当外来では、Roy C Page(元ワシントン大学歯学部教授)をはじめとするアメリカの歯周病専門医のグループと、PREVISER社が共同開発した、歯周病のリスク診断を行う「OHIS」というソフトウエアを使用しています。
OHISは、Oral Health Information Suiteの略で、お口の健康に関する情報を過去・現在・未来を通して提供します。
蓄積され続ける膨大な疫学データをもとに構築した世界基準のリスク評価を行い、「点数」や「数字」を使用しつつ、視覚的にわかりやすく説明可能としたものです。
これによって患者さんご自身も自分のリスクをよく理解することができ、また、1人ひとりのリスクに合わせて「オーダーメイドの治療計画」を立てることができ、適切な「メインテナンス」の間隔を設定することができるのです。
過去
初診時からどのように変わっているか
見た目では分からないリスク(歯周病のなりやすさ)がグラフで表示されるため、早い段階でリスクを把握でき、適切な対策を講じることができます。
専門家でも難しい「隠れリスク」を早期に把握可能
見た目では分からないリスク(歯周病のなりやすさ)がグラフで表示されるため、早い段階でリスクを把握でき、適切な対策を講じることができます。
リスクを判定してから治療するからこそ最良の結果に結びつく可能性が高まります
現在のリスクと将来のリスクをしっかり把握するからこそ、そのリスクを下げるために何をしたらよいのか?という疑問にも、きちんと優先順位をつけてお応えすることができます。そこから個々に応じた治療・予防のプログラムを作成していきます。
この手順を怠ると、「経験」や「勘」に依存した手探りの治療、その場限りの治療となってしまうことにもなりかねず、本末転倒となってしまいます。
これからの歯科医療は、医科の考え方に近い、このような手順で進められることが求められていると考えています。
オーラルフィジシャンについて
歯科医師を、「ディーディーエス=DDS(Doctor of Dental Surgery)」といいます。これは、日本で歯学部を卒業した者に与えられる学位です。これまでの歯科医院では、「痛くなったら、削って、詰めて、悪くなったら抜歯して」といった、外科的な処置が一般的に行われてきました。
当院では、これからは、患者様の一生涯を考えて、口腔全体から全身の健康までを内科的に管理できる、「オーラルフィジシャン=Oral Physician」としての歯科医師が必要であると考えています。
通常、DDSは、組織が破壊されて、「削る」「詰める」「被せる」「抜く」などの元の組織の状態に戻すことができないレベルにまで進んだ段階で治療を行います。
しかし、医科の分野では、ここまで手遅れになることはあまりありません。多くは感染した段階や、まだ目に見えない組織破壊の段階で発見し、その原因やリスクをコントロールしようとしていきます。
オーラルフィジシャンをリーダーとする医療チームは、そのような医科の視点で診療を行います。つまり、外科的な処置を実施しなければならない段階からではなく、感染の前段階から介入を始めていくのです。
オーラルフィジシャンの目指すところは、現在の歯科医療の外科的なモデルから、内科的に、化学療法的あるいは生物学的モデルへと変えていくことといえます。
「手遅れになったから削る」「抜く」という処置ではありません。そもそも口腔内の健康を損なわないように予防したり、まだそれほど悪くないときから治療を開始して、外科的処置が必要となる状況を避けたりすることに力を入れるのです。
重い歯周病によって破壊された骨や結合組織をどうにかしようということではなく、ハイリスクの人を見分け、早い時期に診断することが大切になります。まだ初期段階の対応によって、病原性細菌の付着やコロニー化を予防するのです。
DDSとオーラルフィジシャンの大きな違いを説明すると、DDSは病気のある期間を単位として治療するのに対して、オーラルフィジシャンは、患者様の生涯を単位として、一生涯の口腔から全身の健康を考えて診ていきます。
一生涯を単位とするとなると、その場しのぎの治療のみでは太刀打ちできません。しっかりと原因を追究することが大切になります。
その患者様の“今”だけを診ても全体像は見えてきません。このため、オーラルフィジシャンは、患者様の症状などに隠れている、奥深い全体像を含めて診ていくことになります。
当院では、このオーラルフィジシャンの考え方を取り入れたうえで、DDSとしての側面、専門医としての側面、これらすべてをカバーし、理想的なチーム医療を提供できる体制を構築しています。
メディカルトリートメントモデル(MTM)の流れ
当院の特徴である「メディカルトリートメントモデル」の基本的な流れを詳しくご説明します。初期のリスク評価から、個々の患者様に合わせた予防プログラムの立案、最小侵襲治療などを行い、定期的なメインテナンスに至るまでの治療の流れです。
STEP1 初診・検査(診療目安:約60分)
- 1. 来院
- 2. 説明用ビデオ
- 3. 問診
- 4. 歯周病の検査
- 7. 応急処置
- 8. 歯科衛生士の紹介
- 9. 歯科衛生士からのブラッシング指導
- 10. 診療体系の説明
- 11. リスク検査
- 12. データ入力
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こちらでは初めて来院いただいてから、メインテナンスに至るまでをご説明します。患者様の状況により、治療の順番が変わることもあります。
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来院 -
治療で初めてご来院の方も、検診で初めてご来院の方もまず受付に申し出てください。初日の診療では多少お時間をいただきますので、あらかじめご予約の上でご来院ください。
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説明用ビデオ -
診療を行うにあたり、患者様にも診療内容をよく理解していただくために、ビデオをご覧いただきます。
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問診 -
ご記入いただいた問診票を確認しながら、医師が問診を行います。
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歯周病の検査 -
歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。
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口腔内写真撮影 -
診療前の口内の状況を視覚的に確認できるように口腔内写真を撮影します。
- 6
レントゲン撮影 -
さらに的確な診断を行うためにX線写真(レントゲン)を撮影します。
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応急処置 -
すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
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歯科衛生士の紹介 -
患者様の口腔内の管理を行う担当の歯科衛生士を紹介します。歯科衛生士は、むし歯や歯周病の予防における専門家です。来院した際には患者様の担当衛生士が治療を行います。
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歯科衛生士からのブラッシング指導 -
ブラッシングがしっかりできていなかったり、磨けていると思っていたのに実は間違った磨き方をしていたりなど、ブラッシングによるむし歯の原因もさまざまです。そこで、担当衛生士が正しいブラッシング方法の指導を行います。ここで、正しいブラッシング方法を確認してください。わからないことや疑問があればお気軽にお尋ねください。
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診療体系の説明 -
当院の診療体系についてご説明します。
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リスク検査 -
希望される患者様には、むし歯と歯周病のリスクを正確に計測するために、唾液検査(サリバテスト)と歯周病検査(OHIS)を実施しています。検査を行う方にはブラッシングや飲食などでご注意いただきたいことをご説明します。
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データ入力 -
その日に実施した診療の結果をいつでも確認できるように、データとして入力します。初めて来院いただいた日に判明した情報をもとに、1人ひとりの患者様に合った予防プログラムを立案します。
お疲れ様でした。初日の診療はここで終了です。
STEP2 説明1回目(診療目安:約60分)
- 13. 顕微鏡でプラーク確認
- 14. むし歯、歯周病の原因の説明
- 15. 唾液検査の結果説明
- 16. TBIとホームケア指導
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来院2日目です。初診時の検査の結果をご説明します。まずは自分のお口の中をしっかりと知ってください。むし歯の原因は1人ひとり違いますし、予防法もそれぞれ違うのです。
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顕微鏡で
プラーク確認 -
顕微鏡で実際にむし歯・歯周病の原因となっているプラーク(歯垢)を確認していただきます。プラークが多いということはブラッシングが不足しているということを示します。
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むし歯、歯周病の原因の説明 -
患者様のむし歯や歯周病の原因、それぞれの原因の危険度についてご説明します。
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唾液検査の
結果説明 -
前回行った唾液検査の結果についてご説明します。唾液検査により、患者様の唾液の量や質、むし歯菌の数がわかります。
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TBIとホームケア指導 -
前回行ったブラッシング指導がきちんと行われているか、改めてブラッシング指導を行います。むし歯・歯周病予防で一番大切なことは、正しいブラッシングなのです。
お疲れ様でした。2日目の診療はここで終了です。次回より治療に入ります。
STEP3 初期治療(歯科衛生士)(診療目安:約30~60分)
- 17. 歯周精密検査結果説明
- 18. 歯肉縁上縁下歯石の除去
- 19. SRP(手用・超音波)
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来院3日目です。治療しなければいけない箇所が見つかったので治療に入ります。
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歯周精密検査結果説明 -
今までのデータを考慮しながら、検査結果と歯周病の原因を予防していくための分析、検査結果を説明します。
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歯肉縁上縁下歯石の除去 -
どれだけ丁寧にブラッシングをしていても、すべての汚れを落としきることはできません。普段のブラッシングでは落とせない歯石を除去します。
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SRP(手用) -
SRPとはスケーリング・ルートプレーニングのことです。通常のブラッシングでは取ることができない、歯ぐきに隠れている歯石やプラークを取り除きます。大きな歯石が付着していた場合には超音波器具ではなく、専用の手用器具を使います。
STEP4 評価(診療目安:約30~60分)
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再評価 -
歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。今までの治療で病状が改善されているかを確認します。炎症がある場合は歯周基本治療を行います。問題なければ次の治療に移行します。
STEP5 治療
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治療 -
必要に応じて、むし歯・歯周病治療を行います。
STEP6 再評価(診療目安:約30~60分)
- 22. 再評価
- 23. 唾液検査
- 24. 口腔内写真撮影
- 25. レントゲン撮影
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むし歯治療も終わり、お口の中がとてもきれいになってきました。
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再評価 -
むし歯治療が終わったのでここで再度、歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。今までの治療で病状が改善されているかを確認します。
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唾液検査 -
患者様のむし歯や歯周病のリスクがどの程度改善されているかを確認するために、改めて唾液検査を行います。
- 24
口腔内写真撮影 -
治療前と治療後の状態をしっかりと把握できるように、治療が終わったところで再度口腔内写真を撮影します。
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レントゲン撮影 -
さらに的確な診断を行うためにX線写真(レントゲン)を撮影します。
STEP7 メインテナンス(3~6ヶ月に一度)
- 25. 再評価
- 26. TBIとホームケア指導
- 27. 歯肉縁上縁下歯石の除去
- 28. PMTCとフッ素塗布
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これまでもご説明してきました通り、むし歯を治療し、歯をきれいにしたとはいえ、ブラッシングだけでは歯の汚れをすべて落としきることはできません。これからの一生のパートナーでもある自分の歯を、今後は定期的にメインテナンスをしなければいけないのです。
当院でのメインテナンスでは、歯科衛生士による継続的なバイオフィルムの破壊とリスクアセスメントを行います。
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再評価 -
むし歯の治療が終わったのでここで再度、歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。今までの治療で病状が改善されているかを確認します。
- 26
TBIとホームケア指導 -
前回行ったブラッシング指導がきちんと行われているか、改めてブラッシング指導を行います。
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歯肉縁上縁下歯石の除去 -
通常のブラッシングでは取ることができない、歯ぐきに隠れている歯石やプラークを専用の超音波器具で取り除きます。
- 28
PMTCと
フッ素塗布 -
専用の器具を使い、歯のクリーニングを行って、普段のブラッシングでは取りきれない汚れをきれいにします。また、フッ素を歯の表面に塗布し、歯を強く丈夫にします。
ここまでメディカルトリートメントモデルについて詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
歯は、むし歯や歯周病になってから「治療」を行うのではなく、病気になる前からの「予防」が大切です。したがって当院では、メディカルトリートメントモデルを中心とした、予防管理型の歯科医療をご提供しています。
海外の歯科先進国と比べて日本人の口腔内は問題が多いといえます。日本の歯科医院全体が、治療を行う医院から、予防のために足を運んでいただける医院へと変わっていくことが、患者様の健康に利益をもたらすことになるでしょう。
メディカルトリートメントモデルについて、少しでもご理解を深めていただければ幸いです。